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ブリテン、武満、ショスタコーヴィチ

  • パーセル(ブリテン校訂):シャコニー、ブリテン:弦楽四重奏曲第2番、武満徹:ア・ウェイ・ア・コーン、コズマ(武満徹編):枯葉 ユーシアQ (fine NF NF63101 [SACD])
  • ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ、ブリテン:チェロ・ソナタ、無伴奏チェロ組曲第3番 ゲオルギアン (Vc) ヤング (Pf) (SOMM SOMMCD 067)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第1、2番、24の前奏曲、2台のピアノのための組曲、コンチェルティーノ、陽気な行進曲、タランテラ、映画音楽「偉大な川の歌」よりワルツ、バレエ組曲第2番よりポルカ バビンスキー、ブッシュ (Pf) (Capriccio 71 087/88 [SACD])
先日無事に終了したシュペーテQの第8回公演のアンコールで、武満編曲の「枯葉」を取り上げることが決まった時に、現時点で唯一の音盤であるユーシアQのアルバムをAmazonで購入。

ユーシアQは森悠子先生に師事した4人で結成された団体で、全員が長岡京室内アンサンブルのメンバーでもある(現在もそうであるかは、未確認)。本アルバムはこの団体のデビュー盤で、それぞれアニヴァーサリー・イヤー(2006年)であったブリテン(没後30年)と武満(没後10年)の作品を2曲ずつ(オリジナル+編曲)収録している。

時間をかけて一体感を醸成していくかつての四重奏団とは異なり、個々の高い技量に立脚するいかにも現代の四重奏団である。精緻で繊細な、それでいて鮮やかなアンサンブルは、1曲目のパーセルから明らか。ノン・ヴィブラートで抑制された響きの美しさは、筆舌に尽くし難い。続くブリテンと武満のオリジナル作品は、精密でありながらも窮屈さの全くない、隅々まで音楽的な美演。

1993年に編曲および初演されながらも、2016年まで出版されなかったことから、それほど広く知られているとは言い難い「枯葉」は、繊細な和声の移ろいと劇的な音楽表現とのバランスが見事で、唯一の音源ながらも決定盤と言ってしまってよいだろう。

録音の品質も素晴らしい本盤の最大の欠点は、コストパフォーマンスの悪さ。短い収録時間に比して、新品で買うと4,000円を超える価格というのは、なかなかお薦めしづらいものがある。それでもなお、内容の素晴らしさは強調しておきたい。


HMV ONLINEからは、メーカー取り寄せ等で入荷に時間がかかっていた2枚が届いた。

1966年の第3回チャイコーフスキイ国際コンクールのチェロ部門優勝者であるゲオルギアンについては、その当時の優勝記念アルバム(Melodiya)を2008年5月23日のエントリーで紹介したことがあった。本盤はその40年後の録音で、同じショスタコーヴィチのソナタが収録されている。

女流奏者を形容するのに相応しくないかもしれないが、実に男前な演奏。底光りする骨太な音が何より魅力的で、その音で淡々と奏でられる一筆書きのような音楽の渋い味わいに惚れ惚れする。青春時代を追憶するようなショスタコーヴィチの情感も素晴らしいが、枯淡の境地で陰影が織り成されるブリテンの2曲が見事。ただ、ピアノが控えめなのが惜しい。


ショスタコーヴィチの2台ピアノ作品全集+αのアルバムは、既に活動停止しているCapriccioレーベルの在庫処分価格だったので、オーダーしたもの。これがなかなか素晴らしい内容。ラフマニノフ、スクリャービン、ロスラヴェツといった19世紀末から20世紀前半にかけてのロシア・ピアニズムを、ショスタコーヴィチも継承していることがよく分かる、ロマンティックでありながらも神秘的な、ピアノでしか表出し得ない響きが見事に再現されている。客観的でありながらも旋律や和声の一つ一つに品の良い感情移入がなされたソナタ第2番が、とりわけ素晴らしい。24の前奏曲も同様の出来。ソナタ第1番も共通したスタンスの解釈で、聴きやすい明晰な演奏なのだが、いささかロマンティックに過ぎるように感じられる。

2台ピアノの作品群でも、全体的な音楽作りに違いはない。したがって、作品6の組曲が傑出した出来栄えなのは当然のこと。小品の上品な気楽さも心地良い。もちろん、おとなしめではあるものの、コンチェルティーノも悪くない。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Britten,B. 作曲家_武満徹

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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