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7月の視聴録

  • フンメル:ピアノ五重奏曲、シューベルト:ピアノ五重奏曲「鱒」 デンハーグピアノ五重奏団 (2017.2 録画 [NHK BSプレミアム(2018.6.20)])
  • パガニーニ:「『ネル・コル・ピウ』による変奏曲」より、モーゼ幻想曲、ヴァイオリン協奏曲第1番より第2楽章、シマノフスキ:「3つのパガニーニの奇想曲」より第3曲、リスト:パガニーニによる大練習曲第3番「ラ・カンパネラ」、エルンスト:シューベルトの「魔王」による大奇想曲、ワックスマン:カルメン幻想曲 渡辺玲子 (Vn) 江口玲 (Pf) 渡邊一正/東京PO (2016.2.24 & 27 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.2)])
  • ヴィルスマイアー:パルティータ第5番、ビーバー:パッサカリア、バルトーク:無伴奏バイオリン・ソナタ ファウスト (Vn) (2016.1.19 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.4)])
  • バッハ:無伴奏バイオリン・ソナタ第1番、無伴奏バイオリン・パルティータ第2番 エーネス (Vn) (2016.2.15 & 16 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.5)])
  • パガニーニ:24の奇想曲より第1、2、5、6、10、11、13、14、17、18、23、24番、シャリーノ:6つの奇想曲より第1、2、3、5、6番 グリンゴルツ (Vn) (2017.9.19 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.6)])
  • シューマン(河野文昭編):バッハの名前によるフーガ Op. 60-3、ブラームス(林 裕編):間奏曲 Op. 118-2、クレンゲル:即興曲、ワーグナー(グリュッツマッハー編):歌劇「ローエングリン」より「エルザの大聖堂への行進」、ポッパー(山口真希子編):ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」による即興曲、フンパーディンク(ニーフィント編):歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲、フランク(河野文昭編):天使のパン 河野文昭、上森祥平、上村 昇、林 裕、藤森亮一 (Vc) (2016.2.20 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.13)])
  • モーツァルト:クラリネット五重奏曲より第2楽章、ブラームス:クラリネット五重奏曲 マンツ (Cl) カルミナQ (2015.11.29 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.16)])
  • シュルホフ:5つの小品、ラヴェル:弦楽四重奏曲、福富秀夫:関西ラプソディ  関西Q (2018.5.26 録画 [NHK BSプレミアム(2018.7.27)])
  • ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲、R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」(抜粋) R. カプソン (Vn) ブルニエ/読売日本SO (2018.3.16 録画 [BS日テレ(2018.7.7)])
5月から7月にかけて、関心のある映像が立て続けに放送された。一つを除いて、全てクラシック倶楽部である。ほとんどが再放送だと思われるが、気が向いた時しか放送予定をチェックしないため、いずれも今回初めて視聴したものばかり。

デンハーグピアノ五重奏団は、ピリオド楽器の団体。使用楽器や奏法など視覚的にも楽しい映像であるが、何よりもディヴェルティメント的な愉悦感に満ちた演奏の水準が高い。

7月の第1週は、無伴奏ヴァイオリン特集。「ヴィルトゥオーゾの魅力」と題された渡辺玲子による難曲集は、人選ミスな印象。彼女の魅力は、こういう技巧的な曲を完璧に弾き切るところにあるのではない。一方のファウストは、バロック音楽とバルトークとを組み合わせた選曲といい、各曲から引き出される多彩な響きとリズムといい、極めて完成度の高い仕上がり。エーネスのバッハは、一世代前のモダン楽器の演奏法に慣れている耳にとって、とても聴きやすいスタイルである。ファウストの尖り方に比べると、かなり穏当な印象。パガニーニとシャリーノを組み合わせたグリンゴルツの演奏会は、番組の時間の都合で抜粋であるために、その意図が完全には伝わらないこともあるのだろうが、意欲的、という以上の興味は惹かれなかった。グリンゴルツの左手は、こういう曲集を取り上げるに相応しい精度だが、彼の右手が奏でる音色は、僕にとってはかなり耳障りな部類。

京都府立府民ホール・ALTIにて行われた「チェロ・アンサンブルのたのしみ」は、学生時代に京大音楽研究会の定期演奏会で何度も舞台に立ったALTIの風景と、河野文昭氏のトークを楽しんで視聴した。もちろん、日本を代表する5名のチェリストの安定した音楽的なアンサンブルも立派なもので、編成上の無理を感じる箇所がないわけではなかったが、演奏そのものには総じて満足した。

カルミナQとドイツの若手クラリネット奏者マンツによるクラリネット五重奏曲は、番組の時間の都合で実質ブラームスだけなのが残念。揺るぎのない弦楽四重奏に支えられて、伸び伸びとアンサンブルを楽しんでいるマンツの姿が微笑ましい。ただ、僕の好みからすると、カルミナQの演奏は少々表現過多に感じられる。

関西Qの映像は、奈良県文化会館で公開収録されたもの。結成5年ほどの団体だが、最近ではベートーヴェン全曲演奏に取り組むなど、本格的かつ活発な活動を繰り広げている注目の四重奏団である。東京芸大卒というのが4人の共通項のようで、それぞれにオーケストラなど他の仕事をこなしつつの四重奏団ではあるが、一聴してすぐにそれと分かる“カルテットの音”は、この四重奏団が彼らにとって片手間の活動などではないことの証。自然でありながらも緊密なアンサンブル、繊細な表現力など、傑出した力量を有する団体であることはこのラヴェルを聴けば明らかだが、さらに今後いかなる高みに到達することができるのか、大いに期待したい。

最後に、ルノー・カプソンを独奏に迎えた読売日本響の演奏会を読響シンフォニックライブで。ブゾーニのヴァイオリン協奏曲は、初めて聴いた。プフィッツナーの協奏曲などと同様に、何だかよくわからない晦渋な箇所もあれば、妙なテンションの高さを感じさせる箇所もあり、全体としてはむせ返るような濃い口の抒情とやみくもに至難な技巧に満ち溢れた、お好きな方には堪らないに違いない作品。映像とはいえ、こんな作品のライヴを視聴できるのは嬉しい。カプソンは、やや線が細いものの、集中力の高い見事な演奏を聴かせてくれる。「ツァラトゥストラはかく語りき」の前座としてはオーケストラにとって至難に過ぎる楽曲だっただろうが、読響の健闘、いや奮闘も立派なもの。メインの「ツァラトゥストラはかく語りき」はごく普通の解釈ではあるが、オーケストラの醍醐味を味わうに十分な絢爛さは表出されている。
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genre : 音楽

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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