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NHK交響楽団第1886回定期公演・ラトル/ベルリンPO

  • トルミス:序曲第2番、ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番、ブルックナー:交響曲第1番 トラーゼ (Pf) P. ヤルヴィ/NHK SO (2018.5.18 録画 [NHK ETV(2018.7.8)])
  • ハイドン:ピアノ・ソナタ第50番より第2楽章、ラフマニノフ:楽興の時第5番、シベリウス:悲しきワルツ ポゴレリチ (Pf) (2017.10.24 & 25 録画 [NHK ETV(2018.7.8)])
  • サイモン・ラトルとベルリン・フィル~16年の軌跡~ (2017 録画 [NHK BSプレミアム(2017.7.16)])
  • マーラー:交響曲第6番 ラトル/ベルリンPO (2018.6.19 & 20 録画 [NHK BSプレミアム(2017.7.16)])
  • ヴァルトビューネ2018(ガーシュウィン:キューバ序曲、フォーレ:パヴァーヌ、カントルーブ:「オーベルニュの歌」より、ハチャトゥリャーン:バレエ「ガヤネー」より「ゴパーク(第3組曲第6曲)」「クルドの若者達の踊り(第3組曲第2曲)」「ガヤネーのアダージョ(第1組曲第7曲)」「レズギンカ(第1組曲第8曲)」、レスピーギ:交響詩「ローマの松」、モンテヴェルディ:「かくも甘い苦悩が」、エルガー:「威風堂々」第1番、スーザ:自由の鐘、リンケ:ベルリンの風) コジェナー (MS) ラトル/ベルリンPO (2018.6.24 録画 [NHK BSプレミアム(2017.7.16)])
クラシック音楽館で放送されたNHK交響楽団第1886回定期公演を、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番目当てで録画。この作品は、N響にとって第1661回定期公演(2009年12月5日)以来となる。ゲルシュタインの独奏とデュトワの指揮によるその演奏は非常に整ったものだった(2010年1月14日のエントリー)が、今回のトラーゼは弱音に傾倒したかなり個性的な音楽を繰り広げている。率直に言って、指回りはいまひとつで、第1楽章を聴く限りはもたつくとまではいかないまでも滑舌の悪さが気になった。しかしながら、遅めのテンポで奏でられる第2楽章は弱音の多彩さが際立つ非凡な演奏。オーケストラ、とりわけホルンにとっては殺人的なテンポだが、温かみのある緊張感に貫かれた音楽は極めて印象的である。終楽章は、第1楽章と同様。アンコールのスカルラッティでは、再び第2楽章の世界。

トルミスの序曲第2番は、録音(2010年12月6日のエントリー)もあるパーヴォお得意のレパートリー。颯爽とした熱気溢れる演奏である。ブルックナーの第1番は、まるでトルミスに呼応しているかのような、若々しい溌剌さに貫かれた力強い音楽で、いわゆるブルックナーらしさとは距離のある個性的な解釈。

「コンサート・プラス」は、正暦寺福寿院客殿で収録された「イーヴォ・ポゴレリチ in 奈良」の後半。全編は、過去にクラシック倶楽部でも放送されている。とりわけハイドンが印象に残った。

プレミアムシアターでは、ラトルのベルリン・フィル首席指揮者退任に伴うドキュメンタリーと2つの演奏会というボリュームのある特集が放送された。

さすがにカラヤン時代のベルリン・フィルについては、その全貌とは言わないまでも一般的なイメージ程度のことは私でも共有できていると思うのだが、アバド時代以降についてはよく知らない、というのが正直なところ。ラトルとオーケストラとの関係や、ラトルの音楽的志向について、このドキュメンタリーは短いながらも的確に整理して提示しているとは思うのだが、アバド時代との違いのような視点が個人的には欲しかった。それにしても、毒を吐く団員達の顔を見ていると、指揮者は大変だなぁと改めて思う。

さよなら公演のマーラーは、細部に至るまで緻密でありながら、壮麗かつ余裕のある響きで構築される大局的な造形とスケール感が見事としか言い様のない、このコンビの到達点に相応しい名演。

首席指揮者としてのラトル最後の演奏会となった「ヴァルトビューネ2018」は、選曲も気が利いていて楽しいが、前半と後半とで全く趣の異なる作品を、それぞれ鮮やかかつ模範的に、しかもやすやすと演奏してしまうオーケストラの圧倒的な機能と、それを思い通りに使いこなしている指揮者の存在感が際立つ。本編最後の「ローマの松」は8月14日のエントリーで紹介したシャイー指揮の「ヴァルトビューネ2011」でも取り上げられていたが、どちらもそれぞれに豪壮で巨大な響きをもって聴く者を圧倒する凄演には違いないものの、このクライマックスに漂うどこか寛いだ雰囲気はラトルとベルリン・フィルとの関係性を象徴しているようにも感じられ、このコンビに関心を抱いてきたとは言い難い私ではあるが、名残惜しい余韻と共に視聴し終えた。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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