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10月中旬の聴取録

  • Karl Böhm HISTORICAL (Hommage 10CDs)
  • J. S. バッハ:三声のリチェルカーレ、フランス組曲第4番、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ(抜粋)、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番、ピアノ・ソナタ第25番(第2楽章) ニコラーエヴァ (Pf) (Orfeo C612 031 B)
  • ムーソルグスキイ:モスクワ河の夜明け、ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 コンドラーシン/モスクワPO (Altus ALT067)
  • Concert Miniatures for Violin and Piano プラッツ (Vn) タウジッヒ (Pf) (CBC SM159 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:24の前奏曲、「人間喜劇」「リア王」「南京虫」より ヴィアルド (Pf) (Melodiya C10 28379 002 [LP])
  • ステーンハンマル:セレナード、チトラ、冬至祭 サロネン/スウェーデン放送SO (Musica Sveciae MSCD626)
  • J. S. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲、モーツァルト:協奏交響曲、ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲、J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番よりブーレ D. オーイストラフ (Vn & Va) I. オーイストラフ (Vn) メニューイン (Vn & 指揮) ロストロポーヴィチ (Vc) コンドラーシン/モスクワPO他 (EMI DVB 4904509 [DVD])
  • フレンニコフ:交響曲第1~3番 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 029)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番 コラール (Pf) サッカーニ/ブダペストPO (BPO Live BPOL1006)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番、シェーンベルク:弦楽三重奏曲 Weithaas (Vn) ペルガメンシチコフ (Vc) Rivinius (Pf) K. フォーグラー (Vn) 清水直子 (Va) J. フォーグラー (Vc) (IPPNW-Concerts CD44)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第11番、シューベルト:弦楽四重奏曲第15番 ベルリン・フィルハーモニアQ (IPPNW-Concerts CD43)
  • エン・ペルソナ ピアソラ (バンドネオン) フェレール (語り) (BMG BVCF-35018)
  • エル・タンゴ リベーロ (Vo) ピアソラ五重奏団他(Polydor POCP-2623)
  • ラ・カモーラ ピアソラ五重奏団(American Clavé AMCL 1021 2)
昨日に引き続き、今月に入ってから聴いた音盤をまとめて。

TOWER RECORDS難波店で買い込んだのは、ベームの歴史的録音10枚組みと、ショスタコーヴィチの新譜2枚。ベームの10枚組みの内容は以下の通り:
【CD1】
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」 ベルリンPO(1951)
モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」 ベルリンPO(1942)
モーツァルト:セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 ウィーンPO(1943)
モーツァルト:歌劇「後宮からの誘拐」序曲 ザクセン国立O(1939)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 ザクセン国立O(1939)
【CD2】
シューベルト:交響曲第5番 ザクセン国立O(1942)
シューベルト:交響曲第8番「未完成」 ウィーンPO(1940)
ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 ザクセン国立O(1938)
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 ザクセン国立O(1939)
【CD3】
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ストラウプ(Vn) ザクセン国立O(1939)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 コレッサ(Pf)  ザクセン国立O(1939)
【CD4】
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ギーゼキング(Pf) ザクセン国立O(1939)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 E. フィッシャー(Pf) ザクセン国立O(1939)
【CD5】
ブラームス:交響曲第1番 ウィーンPO(1944)
ブラームス:交響曲第2番(第1&2楽章) ウィーンPO(1942)
【CD6】
ブラームス:交響曲第2番(第3&4楽章) ウィーンPO(1942)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 バックハウス(Pf) ザクセン国立O(1939)
【CD7】
ブルックナー:交響曲第4番 ザクセン国立O(1939)
【CD8】
ブルックナー:交響曲第7番 ザクセン国立O(1939)
【CD9】
スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲 ザクセン国立O(1939)
J. シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」より間奏曲 ザクセン国立O(1939)
ワーグナー:楽劇「さまよえるオランダ人」序曲 ザクセン国立O(1939)
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲 ザクセン国立O(1939)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕への間奏曲 ザクセン国立O(1939)
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲 
ザクセン国立O(1939)
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」前奏曲 ザクセン国立O(1939)
レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」前奏曲 ザクセン国立O(1938)
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲 ザクセン国立O(1938)
【CD10】
レーガー:モーツァルトの主題によるフーガと変奏曲 ザクセン国立O(1938)
プフィッツナー:交響曲 ハ長調 ザクセン国立O(1942)
R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」 ザクセン国立O(1938)
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 ザクセン国立O(1940)
聴きたかったのは、CD10に入っているレーガー。かぶとやま交響楽団第30回定期演奏会に向けての勉強のためだったが、さすがに音質が悪すぎる。オーケストラもさして巧くはなく、あまり参考にはならなかった。ただ、若きベームのきびきびとした音楽作り自体は、カイルベルト盤なんかよりはずっと良いと思う。このCDには第26回定期演奏会で演奏したプフィッツナーの交響曲も入っていて、懐かしく思い出しながら聴いた。とはいえこのセット、2800円弱という激安プライスでなければまず買うことはなかっただろう。

ニコラーエヴァのザルツブルグ音楽祭ライヴは、非常に内容のある一枚。鈍重な足取りで、時に泥臭いロマンティシズムが満ちるニコラーエヴァの個性が、とても良いコンディションで記録されているのが嬉しい。お目当てのショスタコーヴィチは同時期に行われた2回目の全集録音とほとんど変わらないが、曲の隅々まで知り尽くした安定感は他の追随を許さない。バッハも立派な演奏だし、ベートーヴェンの第32番の第2楽章などはまさに名演。

一方、コンドラーシンの日本公演ライヴは、少々期待はずれ。一ヶ月近くに及ぶ過密スケジュール最終日の記録だけに、オーケストラに疲労もあったのだろう。随所でアンサンブルが乱れ、全体的に集中力が持続しない。コンドラーシンの棒も時に強引で、両者の間に戸惑いと、思うようにならないもどかしさとが感じられる。それでも、このコンビならではの“ショスタコーヴィチの音”は健在。雰囲気を楽しむ分には悪くないかも。

MikrokosmosからLPが2枚届いたが、内1枚はダブり買いだった。カタログの文字列だけ見て注文すると、どうしてもやってしまう。しかも、さして印象に残ることのない平凡なヴァイオリン小曲集。トロント響のコンサートマスターで、NBC響時代にはトスカニーニの下でも弾いたというキャリアは立派なのだが。ということで、新たに聴いたのはヴィアルドによるショスタコーヴィチのピアノ作品集のみ。ヴィアルドはこのわずか5年ほど後、Elektra Nonesuchに24の前奏曲を再録しているが、演奏の傾向はそれとほぼ同一。勢いのあるスピード感で、一気呵成に全曲を弾き通している。ただ、タッチのきめ細かさやアーティキュレーションの自然さなどは、新盤に劣る。劇音楽からの抜粋3曲のピアノ編曲が収録されているのは、楽しい。1~2分の曲に対して、細かいことを言うのも野暮というものだろう。

かぶとやま交響楽団のHPから、第24回定期演奏会で取り上げたステーンマンハルの「セレナード」の編成等についての問い合わせがあった。久しぶりにスコアを棚から出したついでに、CDも。いやぁ、本当にきれいな曲。演奏した時も大好きだった第2曲「カンツォネッタ」や第4曲「ノクターン」なんかは、今すぐまた演奏したい衝動にかられる。難しくて苦労したし、雰囲気は最後まで出せなかったことなんかも、今となっては忘却の彼方だから言えるんだけど。

そうこうしている内に、また給料日がやってきた。性懲りもなくTOWER RECORDS難波店に向かったお目当ては、オーイストラフのDVD。まだ時間がとれなくて、バッハの二重協奏曲しかきちんと観ていないが、画質・音質ともに良好とは言い難い。とはいえ、立ち姿だけで音楽になっているオーイストラフの映像を見逃すわけにはいかない。メニューインとの共演は、オーケストラも含めて演奏スタイルがバラバラで、音楽的にはあまり感心しない。オーケストラがモスクワPOになったモーツァルトでは、メニューインの指揮ぶりがなんか気に入らないが、それでも響きはぐっとまとまってくる。さらに指揮がコンドラーシンになるブラームスでは、響きの密度の次元が変わる。この週末にでも、残りを視聴したい。

店頭にはスヴェトラーノフのフレンニコフ交響曲全集が並んでいた。残り枚数から察するに、売れ行きは上々のよう。確かに、ソ連のオーケストラを存分に堪能することができる。だが、いくら何でも作品そのものがつまらない。駄作と言っても良いくらい。中では、第2番が楽しめたかな。第3番もまぁいいんだけれども、楽章間の関係性があまり感じられず、わざわざ交響曲と銘打つ必然性が感じられない。いずれにしても、一部のマニアが熱狂するほどのものには思えない。実際に演奏すれば興奮してのめりこんでる自分の姿も容易に想像できるのが哀しいが。

他には、ショスタコーヴィチ関連のライヴ盤を3点購入。ブダペストPOの自主制作盤は、思わぬ掘り出し物。両端楽章で時折大きくテンポを揺らす以外は、基本的に端正な演奏。オーケストラの地味ながらも渋味のある音色を生かした、丁寧で美しい音楽に仕上がっている。第2楽章は平凡でやや退屈だが、第3楽章の伸びやかな歌に救われる。第1楽章の大柄な音楽、第4楽章の素直な高揚感も素晴らしい。コーラルの独奏によるラフマニノフの協奏曲も、勢いのある大きな音楽の流れが立派。作品の魅力を愉しむことができる。

IPPNW (International Physicians for the Prevention of Nuclear War)が主催する演奏会のライヴ録音2点にショスタコーヴィチ作品が収録されていた。いずれもドイツ人演奏家が中心になっている。ピアノ三重奏曲第2番は、ペルガメンシチコフの音色がショスタコーヴィチの雰囲気を醸し出しているが、全体としては地味な仕上がり。いかにも比較的若い世代の演奏らしく、技術的にも音楽的にも清潔にまとめられているのが好ましい。シェーンベルクの方は、いまいち。そつなく仕上げているという以上の音楽的なものは感じられない。一方、ベルリン・フィルハーモニアQのディスクは、さすがに密度の高い出来となっている。ショスタコーヴィチは、丹念に楽譜を辿って積み上げたような響きが、この作品に相応しい。四重奏としても熟した完成度を持ち、細やかな呼吸の合い方に貫禄すら感じる。いわゆるドイツの音色がとても心地よい。この美質は、シューベルトで一層発揮されている。こういう静謐感のあるアンサンブルは、一朝一夕には実現できないだろう。非常に素晴らしい演奏。

今夜は、なぜか無性に熱い情念に満ちた音楽が聴きたくなり、立て続けにピアソラのアルバムを3枚聴いた。いずれ劣らぬ名盤ゆえ、ひたすら流れてくる音に身を委ねていたが、今日は「エン・ペルソナ」がとても心に沁みる。もう一度聴いて、寝ることにしよう。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Khrennikov,T.N. Tango_Piazzolla,A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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