ひたすらピアソラとショスタコーヴィチ

  • アストル・ピアソラ ライヴ・イン・トーキョー1982 (P.J.L MTCW 1012/13)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 デプリースト/オレゴンSO (Delos DE 3329)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1&2番、コープランド:三重奏曲「Vitebsk」 Trio Wanderer (harmonia mundi HMC 901825)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第9番、喜歌劇「モスクワよ、チェリョームシキよ」より、組曲「馬あぶ」より第3曲 コーベル/ライプツィヒ放送吹奏楽団 (Amos 5995)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5&9番 ゲールギエフ/キーロフO (Philips 475 065-2)
  • ムラヴィンスキー コンプリートライヴ1961 Feb. 12(モーツァルト:交響曲第33番、ショスタコーヴィチ:交響曲第8番、グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲) ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Dreamlife DLCA-7003)
  • Antnio AGRI: La Converación (Melopea CDMSE 5057)
わずかばかりのボーナスを片手に、Tower Records難波店へ。夜23時まで営業していることと、帰り道でのアクセスのしやすさから、最近はもっぱらこの店ばかり。たまに同じくTower Recordsの梅田店はのぞくこともあるものの、HMV心斎橋店がクラシックコーナーを大幅に縮小して以来、営業時間の都合が良い店が他になくなってしまった。まぁ、同じ店で買うようになると、ポイントカードが効率良くたまるというメリットもあるし。

ここのところ楽しみな新譜が続いているが、ピアソラ・キンテートの1982年東京ライヴはアナウンスを見かけてからリリースまでが本当に待ち遠しかったものの一つ。マスターが既に失われているとのことで、良質なエアチェックテープを探してリリースにまでこぎつけた関係者のご尽力には頭の下がる思い。オビの裏に書いてあった1984年ライヴのマスター探しの依頼文には、尽きることのない制作サイドの意欲にただただ感服。

さて肝心の演奏だが、前評判ほどには感心しなかった、というのが正直なところ。個人的な好みからすると、全体にテンポが重いことと、テンションの高さが裏目に出たようなアンサンブルの粗さが気になるからだ。藤沢嵐子が入る後半は、どこかリラックスしたような雰囲気だが、客席も含めて異様な緊張感が張り詰める前半(CD-1)の方が音楽の密度は濃い。「AA印の悲しみ」は最後の方でアンサンブルが乱れまくるが、部分的には他の録音よりも突出して冴えている箇所もあり、これをライヴで聴いた人々が羨ましくてならない。

デプリーストのショスタコーヴィチの第11番は、15年前の旧盤と異なりライヴ録音。演奏時間も終楽章以外は非常に早くなっていることと併せて想像される熱気あふれる演奏…ではない。むしろ全く正反対の理知的で細部まで磨きあげた演奏。好き嫌いは分かれるだろうが、筆者には少々物足りなかった。もちろん、優れた演奏であることは認めるのだが。それにしても、どうしてこの曲の録音はいずれもダイナミックレンジを極端にとるのだろう。第1楽章がいつ始まったのかわからないような録音は、それだけで聴くのが面倒になる。大音量で聴けない小市民が悪いと言われればそれまでなんですけどね。

Trio Wandererという団体はどこかで聴いたことがあるような気がしたものの、ジャケットから恐らく所有していない音源だろうと判断して購入。果たして、ピアノ三重奏曲第2番の旧録音を既に架蔵していた。久しぶりに聴いた第1番は、共感に満ちた熱い音楽で、若きショスタコーヴィチの抒情を素直に引き出しているのが好ましい。第2番の方は、旧盤に比べるとテンポ設定もアンサンブルも良い意味で常識的になっている。粘着質な歌い口は作品のユダヤ性を勘案すると許容範囲だが、響きの粗さが気になる。コープランドの作品は、僕にはピンと来なかった。

ショスタコーヴィチ作品の吹奏楽用編曲集を見つけた。3000円近いフルプライスだが、買わない訳にはいかない。が、予想していたこととはいえ、酷い内容。技量も大したことない上に、致し方のないこととは言え、演奏上の都合かと思われるアーティキュレーションの変更が多く、吹奏楽でこれらの作品を演奏したいという熱心な愛好家の資料以上の価値はない。「モスクワよ、チェリョームシキよ」からの抜粋が、中ではマシか。

ゲールギエフのショスタコーヴィチの第5番と第9番は、急いで買わなくても当分入手できるだろうことと、何よりゲールギエフのショスタコーヴィチに感心したことがなかったので、今まで買いそびれていた。ところがこの第5番、ゲールギエフらしい流麗な仕上がりの中にも多彩な仕掛けが込められた、なかなかの秀演。楽器のバランスや、ちょっとした表情付けにあざとさが感じられるのは好みではないが、作品の本質を見失うようなものではなく、素晴らしい演奏。嬉しい誤算といったところか。ただ、第9番は良くない。よく洗練された音楽であるが、第1楽章に象徴されるような、過度に深読みしたような楽曲解釈には納得がいかない。抽象性の高い第2楽章や第3楽章などでは、オーケストラの名技もあって立派な仕上がりになっているだけに、もったいない。

さて、またまたムラヴィーンスキイの未発表ライヴ録音。同時期のBBC Legends盤と同じ収録曲(アンコールの「ルスランとリュドミラ」はBBC盤には収録されていない)で、演奏の印象も当然ながら似たようなもの。実に素晴らしい。これをライヴで聴いていたら、一体どれほど興奮するのか、想像すらできない。ただ、このアルバム、音質はよろしくない。モーツァルトなんかは、もうちょっと良い音で聴きたかったところ。

ここ何年かメンテすらしていないピアソラのページを見たというある人から、「ハシント・チクラーナ」の各種アレンジについての問い合わせを受けた。この曲に関してはリベーロの声なくしては…という要素もあるし、何よりゴーシスのピアノが素晴らしいオリジナル以外に聴く気はしないのだが、返信がてらアグリ最晩年のアルバムを聴いた。「ハシント・チクラーナ」のアレンジには感心しないが、聴き所がいっぱいの良いアルバムだ。冒頭の「想いの届く日」が非常に素敵。明日(10日)は大学の同期の結婚式だが、そこの余興でヴァイオリン・ソロで弾く予定。いい曲だし、いい演奏。ちょっとだけでも近づけるといいな。

オーディオ周りを整理していたら、1枚のMDが発掘された。長女が生まれた時に、寝かし付け用に作成した編集MD。「Adagio○○」と題しているにも関わらず、ほとんどがAdagioではなくてAndanteくらいじゃないかな。去る2月10日分の本欄で紹介した編集CDと曲目が随分ダブっているのも、自分のはっきりとした趣味がわかって面白い。収録曲は以下の通り:
  • Shostakovich: Romance (from ‘The Gadfly’ Op. 97) Arr. by G. Saborov [Bolshoi Theatre Violin Ensemble]
  • Fibich: Poeme Op.41-4 Arr. by G. Saborov [Bolshoi Theatre Violin Ensemble]
  • Svetlanov: Aria [Bolshoi Theatre Violin Ensemble]
  • Schumann: Piano Quartet Es-Dur Op.47 (3rd mov.) [J. Demus (Pf) members of Barylli Quartet]
  • Mozart: String Quartet B-Dur (2nd mov.) [Barylli Quartet]
  • Mozart: Clarinet Quintet A-Dur (2nd mov.) [L. Wlach (Cl) Vienna Konzerthaus Quartet]
  • Schumann: Violin Sonata No. 2 d-moll Op.121 (3rd mov.) [安永 徹(Vn) 市野あゆみ (Pf)]
  • Chausson: Concerto D-Dur Op.21 (2nd mov.) [Les Musiciens]
  • Faure: Trio d-moll Op.120 (2nd mov.) [J. Hubeau (Pf) R. Gallois-Montbrun (Vn) A. Navarra (Vc)]
  • Debussy: String Quartet (3rd mov.) [Parrenin Quartet]
  • Shostakovich: Piano Quintet (4th mov.) [L. Edlina (Pf) Borodin Quartet]
  • Mozart: Duo for Violin and Viola No. 2 B-Dur (2nd mov.) [Regis&Bruno Pasquier]<
  • LI>Shostakovich: Prelude (from `The Gadfly' Op. 97) Arr. by Y. Larichev [J. Williams &T. Kain (Gt)]
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : Tango_Piazzolla,A. 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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