ショスタコーヴィチの歌曲

  • ショスタコーヴィチ:ショスタコーヴィチとオーイストラフの電話対談、ヴァイオリン協奏曲第2番 オーイストラフ (Vn) コンドラーシン/モスクワPO (Victor VIC-2067 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲、マルティヌー:ピアノ五重奏曲第2番 Quintette Pro Arte de Monte Carlo (Solstice MN01 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲、ピアノ三重奏曲第2番 Music Group of London (ASV ALH929 [LP])
  • ショスタコーヴィチ(ゾンデツキス編):弦楽四重奏曲第8番、バルシス:バレエ音楽断章、ラーツ:弦楽オーケストラのための協奏曲 ゾンデツキス/リトアニア学生弦楽O (Melodiya D 014903-904 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:作品選集第3部第3巻(日本の詩人の詩による6つの歌曲、プーシキンの詩による4つの歌曲、プーシキンの詩による4つのモノローグ(第2&4曲)、ユダヤの民族詩より、E.ドルマトーフスキイの詩による5つの歌曲、スペインの歌、A.ブロークの詩による7つの歌曲、イギリスの詩人の詩による6つの歌曲、M.ツヴェターエヴァの詩による6つの歌曲、劇音楽「リア王」より「コーデリアのバラード」と「10の道化の歌」、自作全集への序文とその序文に関する考察、雑誌「クロコディール」の詩による5つの歌曲、レビャートキン大尉の4つの詩、ミケランジェロの詩による組曲) Various Artists (Melodiya C10-10617-18他 [LP])
Mikrokosmos Mail Order Co.から、いつもより重たい荷物が到着。珍しくオーダーした分がすべて入荷したため。嬉しいけれども、財布には厳しい。

ショスタコーヴィチとオーイストラフとの電話録音は、いくつかの映像作品の中で聴くことができる。しかし、全てを収録している上に、対訳までついているという点で、この国内盤LPの価値は計り知れないものがある。熱っぽくも精緻に問題点を洗い出していく二人の会話を聞いていると、まるで自分も天才達の創造の現場に居合わせているような興奮を味わうことができる。本編(?)のヴァイオリン協奏曲第2番の演奏は、いまさら言うことのない名演。

モンテ・カルロ・プロ・アルテ五重奏団によるショスタコーヴィチの五重奏曲は、後にヴァイオリンの2人が交代した再録音もあるが、この旧録もテンポは若干速めである以外は印象に大きな差はない。全体におっとりとした“室内楽的な”雰囲気ではあるが、こういう演奏様式がショスタコーヴィチにふさわしいとは思えない。カップリングのマルティヌーも同様だが、こちらは技術的な難易度が高いせいか、ショスタコーヴィチよりは燃焼度も高いようだ。

同じ五重奏曲でも、ロンドン・ミュージック・グループの方は、ごくごく標準的な演奏。解釈自体は平凡と言えなくもないが、手堅いアンサンブルと丁寧な取り組みに好感が持てる。音色をはじめとする雰囲気も悪くない。カップリングのピアノ三重奏曲第2番も同様だが、より快速なテンポ設定が好ましい。期待していなかった割には、なかなかのアルバムだった。

ゾンデツキスの「室内交響曲」は、ゾンデツキス自身による編曲。彼による同曲の録音は全部で4種類ほどあるようだが、よほどこの曲が気に入っているのか。少々荒っぽいが、作品に対する共感に満ちた熱い演奏。ただ、この編曲で付加されているティンパニには違和感を禁じ得ない。バルシスとラーツの作品は初めて聴いたが、部分的には興味を惹かれるものの、全体としてはあまり面白くなかった。

Melodiyaがリリースしていた“音による”ショスタコーヴィチ作品選集は、僕は歌劇を集めた巻(第3部第1&2巻)しか持っていない。重厚だが作りが粗雑で臭い(!)箱は、いかにもソ連製。ほとんどの演奏は何らかの形で所有しているのだが、プーシキンの詩による4つのモノローグ(セリヴァノフ、第2&4曲)、スペインの歌(イサコヴァ)の2つは今回初めて聴いた。セリヴァノフの「モノローグ」は、甘く、それでいて格調の高い歌唱が立派。これといった決定盤が他にない作品だが、この演奏は決定盤と称するに値する。ただ、2曲のみの抜粋であることが非常に残念。一方、イサコヴァの「スペインの歌」には、何の根拠もなく期待したのだが、張りのある典型的なロシアン・ソプラノで響きは素晴らしいものの、大げさな音楽作りには若干違和感が残った。

ショスタコーヴィチの歌曲をまとめて聴いたのは久しぶりだったが、やはり後期の作品群が持つ響きの多彩さと内容深い音楽の力には打ちのめされる。大好きなツヴェターエヴァは別格として、月並みだがネステレーンコによる一連の後期作品の素晴らしさといったら!
スポンサーサイト

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

comment

Secre

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
カテゴリ
タグツリー
★ トップ(最新記事)
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
人気記事ランキング
RSSリンクの表示
リンク
音盤検索
HMV検索
検索する

音楽関係のブログ(リンク・更新状況)
PopUp WikipediaⅡ
記事中の気になるキーワードをマウスで選択してください。Wikipediaからの検索結果がポップアップ表示されます。
Wikipedia
developed by 遊ぶブログ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター